教えてホーム長過去記事 Q14 なぜ認知症になるの
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Q 14 なぜ 認知症になるの?
A:三宅貴夫医師より 認知症の原因は、基本的には脳の病気であり、そのうち日本で最も多いのはアルツハイマー病です。最近の調査では、認知症の60%を占めているとの報告もあります。次に多いのが脳梗塞や脳出血などの脳血管障害です。そのほか原因として多くありませんが、正常圧水頭症、レビー小体病、ピック病などさまざまな脳の病気によって認知症が引き起こされます。
アルツハイマー病と脳血管障害による認知症は、治ることはありません。特に、アルツハイマー病は進行します。そのほかの病気の場合、、経過はさまざまで、治るもの、よくも悪くもならないもの、進んでしまうものがあります。こうした脳の病気を筆者は「認知症の一次要因」と呼んでいます。
しかし、認知症という状態は一次要因だけで決まるものではありません。認知症の人の身体状態、精神状態、生活環境が認知症をよくしたり、悪くしたりするのです。筆者はこれを認知症の二次要因と呼んでいます。
二次要因のうち、まず身体状態として発熱、脱水、貧血などがあると、認知症は悪化しやすくなります。下痢が続き脱水状態になると認知症は悪化しますが、点滴などをして十分水分をとり、脱水状態を治すと認知症は改善されます。
精神状態としては、不安、緊張、混乱、うつ状態などが認知症を悪くします。アルツハイマー病の人がうつ状態になると、認知症が悪くなったようにみえます。しかし、うつ状態を治すことで、元の認知症の状態に戻すことができます
生活環境は、介護する人と居住環境とに分けることができます。介護する人が、認知症について理解があり、適切な介護をしていると、認知症が進まないことがあります。
また、気持ちが和み安心できるグループホームのような居住環境で生活することで、認知症の人が落ち着き、症状が改善することもあります。
認知症は脳の病気である一時要因と3つの状態(身体状態、精神状態、生活環境)である二次要因であると理解しておくと、認知症をより正しく把握しやすく、適した介護につながるでしょう。
ホーム長 石田
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