教えてホーム長 過去記事 Q15 認知症の方にしてはいけないこと

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2024年04月23日 13:59

教えて ホーム長 Q&A
Q13 認知症の人にしてはいけない
    ことはありますか?

A:認知症になっても心は生きています。最後まで人としての感情、プライドは残っていますので、こうした感情に配慮すれば、してはいけないことが思い浮かぶと思います。


 認知症は、認知機能という知的な働きが衰え、一人では生活できなくなっていく状態です。
しかし、認知症になっても喜怒哀楽の感情、思いや期待、プライドは残っています。認知症の人にしてはならないことの第一は、その人の感情を傷つけるような言動をすることです。思いや期待を裏切ったり、プライドを傷つけることがないように気をつけましょう。

「私ができないことを無理にさせないでください」
「私が出来る可能性のあることは、そのまま放置せずに私が出来るように支援してください」
「私がわかる可能性のあることは、私がわかるように支援してください」

認知症の人は、言ったこと,見たこと、聞いたこと、したことを思い出そうとしても
すっかり忘れていることが多のいです。ついつい「さっき言ったでしょう!」
「何度同じ事を聞くの!」と言いたくなります。

しかし、できなくなったことを指摘したり、無理にやらせようとすると
不愉快になったり、プライドが傷ついて反発したくなるのも当たり前です。
お互いに感情的になって疲れてしまうより、残った機能(残存機能)に
働きかけて生活を支えるほうが、平穏に過ごすことができます。

たとえば、掃除しても以前のように隅々まできれいに出来ないかもしれません。
「この部屋のお掃除お願いします」と言ってほうきっを渡し、掃除が終わったら
「ご苦労様でした。きれいにしてくれて有難う。助かります」
と感謝の言葉を掛けましょう。残ったゴミを指摘するなどして、出来ないからと言って
仕事をとり上げないようにしましょう。ゴミが残っていれば後で本人のいないところで
そっと片付けましょう。

認知症の人は、昔の記憶はしっかり残っています。
現在の首相の名はわからなくても
戦後の首相の名は、覚えていたりします。
昔のことをよく覚えていることも、残存機能の1つなのです。 

                 ホーム長 石田




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