教えてホーム長過去記事 Q12 入浴の拒否
教えてホーム長 Q&A
Q 12 入浴を嫌がります。
どうしたら入ってくれますか?
A :認知症の人のなかには、入浴に対して不安や恐れを抱く人がいます。裸になることが怖く、とくに陰部を見せることに対して羞恥心が強いようです。一番風呂にはいっていただいたり、タオルなどで陰部を隠したり、足湯などから始め浴槽に誘ってみましょう。
認知症によって物忘れが進むと、時間の流れの中で考えたり、総合的に判断することが難しくなります。また、日常生活では、身体を清潔に保つことに関心がなくなり、入浴することが面倒になります。
入浴時には、裸にならなければなりません。入浴の前後の流れがよく分からなくなっている認知症の人は、裸になる、裸にされるということに、不安や恐怖心を抱くことがあります。健常者にとっては、入浴時に裸になることは当たり前のことですが、認知症の人にはそれが理解できにくくなっています。服の脱ぎ方が分からない,洗い方がわからない、湯船の入り方が分からない。服の着方が分からない等不安で一杯なのです。また、入浴を促す人が誰だか分からない状態になった認知症の人にとっては見知らぬ人に裸を見せるのは恥ずかしく拒む気持になるのは当然でしょう。
しかし、認知症の人も入浴をしていないことによる身体面の不快感は感じています。在宅にいる場合は家族と一緒に入浴する等工夫してみましょう。本人だけ裸になり、家族は衣服を着たまま入浴介助をしようとすると、認知症の人は不思議に思い拒否につながることもあります。入浴を認識するのに、昔の人は内風呂がなくよく銭湯に行っていました。洗面器に石鹸タオルをセットし、持って入っていただくよう誘導するのもいいでしょう。入浴後のコーヒー牛乳の美味しかったこと思い出すかもしれません。コーヒー牛乳をビンで飲んでいた人もいるかも知れません。
入浴時の気をつけたいポイント
・滑りやすい浴室には、手摺りをつけたり、マットを敷く
・浴槽の中にもマットを敷く
・できるだけ自分で身体を洗うようにしてもらい
洗い残した部分を家族が洗う
・浴室から出たら速やかに身体を拭く
できるだけ自分でしてもらい、拭けない部分を家族が拭く
・冬季は、着替える場所や浴室を温めておく。
・自分で着易いようにセットしておく
・着れない部分だけ手伝う
・脱いだ下着の汚れ具合をチェックする
・入浴後は、十分な水分をとる
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