2009年11月14日

長谷川和夫先生の医学的知識 パート3

長谷川和夫先生の医学的知識パート3
          (静岡県認知症の人と家族の会  コールセンター相談員研修会の1部より)

パート3

レビー小体病もこの頃注目されています。パーキンソン症状、幻覚があります。筋肉が硬くなり顔の表情も硬く表情に乏しい。歩行障害、幻視体験(ベッドの下に水が流れてきた)、認知症が起こってきます。レビー小体型認知症は小坂憲司氏(横浜市立大学名誉教授)が発見し、世界的に有名です。国際的に認められ、高い評価が得られています。アリセプトが効果があります。



甲状腺機能低下障害や糖尿病にかかるとアルツハイマー病になりやすい。医者に行くと心理テスト(認知症を見分けるためのテスト)が行われます。長谷川式認知症スケール(HDSR)MMSE(ミニメンタルステート)でどの位認知機能が低下しているかを診ます。認知症と分かったら二段がまえで診ます。画像診断(CT、MRI)でなるべく早い時期に正確に診立てをし早く対応することが必要です。ここは安心して暮らせるいいケアーが大切!



認知症には、中核症状と周辺症状があります。認知症があるために、現実の暮らしの中で間違い行動があり、周りについていけなくなります。アルツハイマー病と宣告されたら、憂うつになりうつ状態となります。うつ状態が重なると注意力が散漫となり、不安、イライラ、暴言・怒鳴るなど出現します。これらの行動を周りの方は問題行動(BPSD)ととらえてしまいます。本人は問題行動と思っていません。周りの仕方が不十分で間違った行動をするとかえってて混乱します。




いいケアをすると問題行動が少なくなります。私は精神科医ですのでそういうことはすごく関心があります。本人の視点から見てこの世界がどう見えるか!本人中心のケアーが必要になってきます。パーソンセンタードケアが重要です。本人がどう思っているか理解をして取り組むケアです。口で言うことはやさしいが中々難しい。



これからお話することは何回も家族の会で話しています。僕ももちろん話したことは覚えていますよ(笑い)家内の父が80歳のときアルツハイマーー病になりまして86歳で肺炎で亡くなりました。20数年前、聖マリアンナ病院で精神科の教授をしていた頃、東京都板橋のでショートや医師の往診を利用していました。ある晩のこと、一緒に食事をしていて「困ったなー」どうしたの?「皆さんはどちらさんでしょう」と、私はそのときこれは相貌失認だ、人の顔が分からなくなりそれがうまくいかなくなりネットワークが壊れた、これは相貌失認でアルツハイマーの第3期だ。みなシーンとなり、家内は私をにらむ様に観ている。あせっていたとき、高3の娘が「私たちのことが分からないと言っているけど、おじいちゃんじゃないの」「皆さんは私のことを知っているのですか、安心した」と、こういうことを言えばよかったと思いました。『知っているから大丈夫、あなたは分からなくてもいいよ。こっちが知っているから』、これがパーソンセンタードケアというのかなーと思います。





長谷川和夫先生の医学的知識 パート3




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