死なないで!殺さないで!生きようメッセージ集パート30

2人3脚

2022年08月19日 10:18

いま、介護でいちばんつらいあなたへ、思いとどまった介護者からの渾身のメッセージ集の中からお届けします。



委ねる


もう少しもう少しと
自分を励まして
                                     (埼玉県・女性・65歳)

若年性レビー小体型認知症の夫を在宅で五年半、病院・療養型・そして新型特養と移りました。現在、身体障害1級・要介護5、寝たきり・胃ろうです。五年半は、私が浮気をしているという妄想に苦しめられました。そのうちにパーキンソン症状が出始め、イライラを私にぶつけ、精神的に追い詰められてしまいました。夫がデイサービスから帰ってくる時間になると心臓・胃がおかしくなり痛み出します。外出して駅のホームで待っていると、入ってくる電車にフラフラと近寄って行ってしまうようになり、ハッとすることも多くなってきました。




夫を殺そうとは思いませんでしたが、私が死ぬことで終わりにしようと思っていました。後は死ぬ時期をいつにしようと考える毎日でした。そんな私が踏みとどまれたのは、いつでも相談に乗ってくれる主治医、ケアマネージャー、病院の送迎などをしてくれる私の弟夫婦たち、そして友だち、ご近所の方々の手助けでした。


そして何よりもパーキンソン症状で動けない夫はどうなるのだろうという心配(私には子どもがおりませんし、夫の兄弟はあてになりません)。皆がこれだけ応援してくれるのだから、もうすこし頑張ってみよう、もう少しもう少し、と10年余りが過ぎました。





今は特養のベッドで穏かに眠る夫を見るといとおしく、死なないでよかったとしみじみ思います。少し時間ができた今は、キャラバンメイトとしてサポーター養成講座で家族の立場で参加し、「死なないで、殺さないで」「追い込まれる前に声に出してください」とお願いしています。




介護者同士が一番分かりあえます。ともに話し、ともに泣いて、今はつらいでしょうが、もう少しもう少しと自分を励まし生きていきましょう。そして悲しいことですが、いつか必ず終わりが来ます。





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